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トピックス/TOPICS

身近なテーマを題材に、雑文を書いています。興味のある方はどうぞご覧下さい。


[バックナンバー]
1.東京の夏は本当に暑くなったのか

暑い日が続いています。温暖化のせいだという人がいますが、どうでしょうか。確かに東京の気温は上昇しています。年平均気温で見ると、この40年間で約2℃程度上がっています(図1)。これはずいぶん大きな値でしょう。しかし、年最高、年最低気温の推移を見るとかなり異なる様相を示しています。年最低気温は平均気温と同じように上昇傾向にありますが、その傾向は平均気温よりずっと大きく5℃近くなっています。一方、年最高気温の方は、1990年代より確かに上昇傾向にはありますが、60年代から80年代はほとんど変化していません。



日最高気温が25℃以上を夏日、30℃以上を真夏日と呼びますが、その日数で比較しても顕著なのは90年代に入ってからでしょう (図2)。つまり最近10年間を除けば、日中の気温はそれほど高くなってはいないが、夜間の気温は確実に高くなってきている、といった方が正しいでしょうか。



気温が下がりにくくなった、ということを示すのに熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上)数と冬日(最低気温が0℃未満の日)数の推移を図3に示しました。あたりまえですが、見事に正反対の傾向が現れていますね。1960年代には年間一ヶ月程度は冬日だったのが、今では5日以下です。また、60年代には15日程度だった熱帯夜が、今では倍の30日以上となっています。つまり、夏も冬も本来、一日の最低気温が出現する夜間の気温低下が小さくなってしまったということです。
これらの現象は温暖化の影響と言ってよいでしょうか? 遠因としての影響はあるかもしれませんが、夜間の気温が低下しなくなったのは、都市化の影響であり、直接的には温暖化現象と切り離して考えるべきものでしょう。


※ここで用いた気温データは気象庁の電子閲覧室よりダウンロードしたものである
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